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泡盛部_44:どなん、と揺れて気持ちよく

03 31, 2010
いよいよ、この泡盛部の壮大な目的であった48蔵完全制覇もあと三蔵となり、今週から与那国島に。

ここは石垣島から124キロ、台湾から111キロに位置し、200メートル級の山があり起伏の激しいけれど自転車で3~4時間で一周できるというサツマイモの形をした、日本で最後の夕陽が見える島。この島の地質は第三紀堆積岩といわれる、日本列島が形成された1700万年から1400万年前頃のとても古い地質です。そして、16世紀初頭までは女首長(実在は不明)が統治していたらしく、南海の孤島に女王なんてモスラやキングコングの世界みたい。近年、ダイバーによって海底遺跡のような地形が発見されたり、ドラマ「Dr.コトー診療所」ではそのロケ地となりました。

今回は、この小さな島にある三蔵のうちの国泉(こくせん)泡盛を試飲しました。ここは戦前まで個人で酒造りをしていた三人が合名会社として1958年に創業し、こちらもまた昔ながらの直火蒸留そして手造りにこだわり島民のために酒造りに励んでいます。中でも超法規的にこの島でしか製造が許されていない度数60度の花酒(はなざけ)はある意味、“泡盛の一番搾り"のようなもので、他の泡盛があまり使わない蒸留の最初に出てくる成分(はな)だけで仕込みます。

これが生まれたのには熱帯雨林気候の与那国ならではの、“二回葬"と呼ばれる習慣に由来します。沖縄のお墓は人が立って入れるくらい大きな石造りで、そこに遺体をそのまま安置し扉を閉め、三年経って扉を壊すとその遺体は骨だけになっています。これは暑く乾燥した場所に遺体を安置すると、急激に水分が蒸発してミイラ化するスピードが速いことを利用しています(有名なのはエジプトのミイラ)。その骨をアルコール度数の花酒で洗い清めて骨壺に入れ再びお墓に納め死者の成仏を願います。土の面積が限られているこの島では、それ故に土葬ではなくこのような風習を行ったのですね。その理由がなんであれ、生前の姿そして骨となった姿をまた弔うという、死者に対する「想いの深さ」のようなもの感じました。そして、その宴で唱い悲しみ飲まれる泡盛は格別なのでしょう。

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試飲したのは、唯一の銘柄「どなん」の一般酒。この名はこの島が人も寄せ付けぬ多くの断崖絶壁と不安定な気候から「度難」(渡ることが難しい)と呼ばれたことからという説もありますが、与那国島を指す「どに」に由来。台湾の方が近いし南海の孤島ですから、古い言葉が多数残っているそうです。稲穂が揺れるシンプルですっきりとしたデザインのラベルの左側には「国境の島」の文字。東京でそれを実際に意識することは希ですが、この地域ならではのそのことに対する意識なんだと思います。

2週間ぶりの泡盛、そして訳あって体中の血液にたっぷりの芋焼酎が流れる状態で試飲開始。

【ストレート】 甘さとビター感が絶妙なコンビネーション。喉を通る一瞬に辛さを感じるものの、後味はすっきり。

【ロック】 苦味と辛味が増した。

【水割り】 個性がどこかに消えて行ってしまい、「何もの?」という印象に。

【お湯割り】 元の個性が生きてひかり、甘さが増して楽しめます。

“水割り"の時に黒糖のかりんとうを食べ合わせたら、黒糖の甘味が消えて焦げた味だけに。梅味との食べ合わせで部会は盛り上がっていましたが、私としては初めてのこの経験が気になりました。それから、その個性が微妙な食べ合わせとなる“生姜味"との相性が、直火蒸留の泡盛はおしなべて良いようです。一度、八重山の直火蒸留泡盛をずらっと並べてそれを試してみたいですね。好印象は、寒波再来のこの日の天気がその理由だけでなく、ユルリユルリと楽しめた「お湯割り」。でも、熱帯性気候の島では誰もそんな飲み方はしないでしょうね。

寒さを予感したのかこの日のメインディシュ「粕汁」をいただき、東北出身の部員同士で「もっと酒粕が強い方が良い」などと訴え、宮崎空港でリコメンされた「たまたまキンカン」の実を丸ごと頬張り、朝の空港で見た「おび天(宮崎のさつまあげ)」を思い浮かべ、部員の方が家でブレンドしたというスペシャル泡盛を飲みながらの部会となりました。

女王が支配した島だからではないけれど音楽は女性ボーカルが聴きたくなりSadeをリクエストし、そのデトロイトREMIXに頭が揺れながら、エリカ・バドゥーのソウルフルでオーガニックな音に酔いしれました。どうやって楽しむのか……。それはその酒を知ること、その飲み方、つまみ、音楽、人、空間。それをイメージするから気持ちが良くなり、お酒を楽しむことをやめられない。

そう思います。


今週も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

◎テイスティング・フード・ミュージックなど詳しい情報は、
 泡盛部公式ブログ→ここをクリック

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あんなかまこと

Author:あんなかまこと
福島県会津若松生まれ。万博の年に東京へ転居。四谷界隈で仕事をし、荒木町で飲んで食べて20年。販売促進広告制作を主な業務に広告代理店を営んできた。今、様々なことをリセットし新しい発見を模索中。

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